第十三章 大企業の末路

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   本人は、先ほど言った通り、元の職場への復帰を望んでいる。  だが、本社勤務となった時の給与や待遇について。美結と真理亜が、勝手な想像を膨らまし好き勝手な事を言い出す。  松本は、自分の知りうる知識の中。二人の話しが、現実的かどうか答えている。  酒出は、そんな中で一人カウンターの隅に移動した。  ここのところの酒出は、事件解決後に死者に対して献杯を行っている。しかし今回は、殺人事件でもなければ被害者となった死者もいない。  監禁されていた者の中には、長期的に精神科での治療が必要となる者もいようが。  そんな酒出は、カウンターの中年女性に新しい生ビールをもらい、全員に注目するよう言いだした。 「今夜は、ヤマが無事に解決した祝いに乾杯するか」  中年女性は、ちゃっかり自分のジョッキも用意し、飲み物がない人間を確認する。  そして、一同がグラスを重ねた。      
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