エピローグ

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   事件によって注目された唐橋物産だったが、いつしか由美江の社長手腕に注目の矛先が代わる。これにより、落ちていた会社のイメージは、心なしか上昇傾向にあるようであった。  業務停止命令は、程なく完全解除されるであろう。  酒出は、その報告を柿崎の部下から受けると。小さく鼻を鳴らし、笑顔を浮かべた。  ちなみに、それは千葉県警の会議室での事。  酒出の他に、柿崎とその部下が二名。小さな会議室内で、顔を付き合わせていた。そして報告を終えた部下ともう一人は、一礼し柿崎の一歩後ろに控えた。  だが、話しはそれだけでは無いと、柿崎の表情が物語っている。  酒出としても、これだけで終わるとは思っていない。 「そろそろ、本題に入ってくれや。お偉いさんよ」 「はい、そのつもりです」 「そいつは、例の写真の事だろ」 「流石に、お見通しですね。おっしゃる通り、鑑識に依頼した写真の件です」
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