エピローグ

6/7
1994人が本棚に入れています
本棚に追加
/912ページ
   柿崎は黙って頷くと、部下に対し右手を上げる。  すると部下の一人が、タブレット端末も持ち出し。酒出に、そうした画像や動画を次々と見せた。確かに、それらの全てに和泉とミレイらしきカップルが撮影されていた。  酒出の馴染みの店の店主が撮影した画像は、本人であると特定された。  タレコミの画像や動画にも、そのように特定されたものもある。だが逆に、よく似た別人と特定されたものもある。 「そいつは、ダミーって事か」 「えぇ、その可能性が高いと。つまり和泉は、意図的にミレイと街を出歩き。ダミーも雇って、故意に撮影されていると見られます」  ダミー役を買って出たのは、ネット上で和泉を心酔する人間か。それとも目的を知らされず、単なるアルバイトのつもりなのだろうか。  そうしたダミーに職務質問をかけたとて、「単なるデートです」と答えられれば。警察としては、それ以上の追求出来ないのである。
/912ページ

最初のコメントを投稿しよう!