酒屋さん×居酒屋店員

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さっきまさに同じ事を考えてたから。 なんか通じ合ってる感じがして、 思わず顔がへにゃっと緩んだ。 『ん、どした?』 「へへ‥ なんかもう、嬉しくて」 そう言うと、いきなりチュッとキスされた。 「~っ」 『可愛いかったから‥つい、な。』 色気溢れる笑顔でそう言うと、手を引いて歩き出す。 バクバク煩い心臓をおさえながら、引かれるままに後ろをついていく。 目の前を歩く、大きくて逞しい背中を見ながらふと思う。 …なんでそんなに余裕なんだろうか、と。 俺は、堺さんの行動や言葉1つひとつに動揺して、焦って、いっぱいいっぱいになるっていうのに…。 1人悶々としていると… 『トモは愛想が良過ぎるから、心配なんだよなぁ‥。』 前を向いたまま、堺さんは言った。 『店の人にも、お客さんにも、めちゃくちゃ可愛いがられてるし‥。』 「いや、そんな‥」 『‥あんま、いろんな人に懐くなよ。』 その拗ねたような言い方に、ものすごいギャップを感じて。 自分でも乙女かって思うけど、なんかキュンとしてしまった。
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