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さっきまさに同じ事を考えてたから。
なんか通じ合ってる感じがして、
思わず顔がへにゃっと緩んだ。
『ん、どした?』
「へへ‥ なんかもう、嬉しくて」
そう言うと、いきなりチュッとキスされた。
「~っ」
『可愛いかったから‥つい、な。』
色気溢れる笑顔でそう言うと、手を引いて歩き出す。
バクバク煩い心臓をおさえながら、引かれるままに後ろをついていく。
目の前を歩く、大きくて逞しい背中を見ながらふと思う。
…なんでそんなに余裕なんだろうか、と。
俺は、堺さんの行動や言葉1つひとつに動揺して、焦って、いっぱいいっぱいになるっていうのに…。
1人悶々としていると…
『トモは愛想が良過ぎるから、心配なんだよなぁ‥。』
前を向いたまま、堺さんは言った。
『店の人にも、お客さんにも、めちゃくちゃ可愛いがられてるし‥。』
「いや、そんな‥」
『‥あんま、いろんな人に懐くなよ。』
その拗ねたような言い方に、ものすごいギャップを感じて。
自分でも乙女かって思うけど、なんかキュンとしてしまった。
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