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「ユキー、俺、彼女出来た。」
「 ‥そっか、良かったね!」
朝一番。
嬉しそうに俺にそう言って来たのは、中学からの付き合いになる、ミナト。
「隣町の女子高生でさ、通学途中見かけた俺に一目惚れしたんだって。」
そりゃあ、それだけ整った顔してたらね…と内心思いながら相づちをうつ。
身長だってスラッとしてるし、
優しいし、
昔からクラスの人気者で、
ミナトはめちゃくちゃモテるんだ。
「顔真っ赤にしてさ、一生懸命伝えようってしてる姿がすげぇ可愛いくてさ。んで‥付き合う事にしたんだ。」
「 ‥うわぁ、羨ましー」
「またユキにも紹介するな。」
「 ‥うん、楽しみにしてる!」
予鈴が鳴って、ミナトは隣のクラスへと戻って行く。
姿が見えなくなると同時に、すーっと自分の表情が消えていって、
心も冷えていく。
「 …… 」
僕は、うまく笑えてたかな…
ズキン、ズキンと胸の奥が痛む。
朝からの大ダメージに、思わず身体ごと机に塞ぎ込んだ。
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