ありえない事態

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ん……ふぁあ… ねみぃ… まだ少し寝ぼけたままの状態で携帯を求めて周りをぺたぺたと触る。 柔らかなシーツ、ふかふかの布団…いつもと違う感触を不思議に思って重い瞼を開ける。 「……ここどこ…」 見える景色に違和感。 自分が寝ているベッドは自分の家の物よりも倍は大きいと思われる。 むくりと起き上がり周りを見渡せば、自分もほんの数回訪れたことのある場所。 「いや、待て。落ち着け俺。」 自分に言い聞かせるように何度も繰り返し、頭を抱える。 昨夜の事を振り返って見るが記憶がない。 確かに昨日は合コンがあった。普段であればこのような状況になるのは頷ける。が、昨日は本当にハズレだったんだ。俺好みの子は一人もいなかったからお持ち帰りなんてするはずがない。適当に飲んで適当に帰ろう、と思っていたのはハッキリと覚えている。だから、今俺がラブホのベッドの上にいるのは何かの間違いだと信じたい。 「まじかよ……」 あんなブサイク(←最低)でも抱けちまうのかよ俺… っつーか相手は? 周りを見渡してみてもそれらしき人物はいない。 頼むから合コンの女じゃなくて、その帰りに引っ掛けた可愛い女の子でありますように… そう願いながらパンツを履いてベッドから降りる。 シャーーーーー…とバスルームから水音が聞こえてくる。 「風呂か…うぁー、このまま帰りてぇ…」 しゃがみこんで頭を抱える。 もちろん、そんなことしない。 一時の気の迷いだろうが抱いてしまったのなら責任は取らなければならない。せめて、サッパリした割り切ることの出来る女の子でありますようにと願うばかりだ。 ベッドに戻って昨日着ていた服に袖を通し、相手が出てくるのをベッドの上で待つことにした。
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