第2章

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 嵐で水かさの増した川は大きな音を立て、コナの目の前をいつもより速く流れていた。まるで、細かく折れた枝や泥を押し流し、川を清めるかのように。木の実はもう手の届くところにある。コナは膝に力を入れると、鳥が大空に舞い上がるように高く跳ね、川を飛び越えた。皮膚の色に似た土が、真っ白な土踏まずから零れた。
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