第2章

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 コナは広いおでこに右手を当ててみた。太陽の光が遠くの波で跳ね返り、男の姿を追うのに邪魔になっていたからだ。  波は穏やかだった。昨日まで続いた嵐から逃れ、どこかに隠れていた鳥たちが、その翼を広げ、小さな群れをつくって高く低く飛んでいる。まだ雲は残っているが、あんな嵐はしばらくこないだろう。
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