温めてやるから

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昼間は半袖でもいけるくらいなのに、この時間になると、長袖を着ていても思わず二の腕を擦りたくなるほど肌寒い。 何か一枚羽織ってくればよかったなぁと思いながらも、重い足を引き摺りながら歩き始めた。 そしてゆっくり歩いてもすぐにたどり着いてしまった家を見上げる。 二階の右端の学の部屋だけ、電気がついていた。 やっぱり帰っているよね。 いないことを期待していたんだけどなぁ。 玄関のドアの前に立って、インターフォンに人差し指を添える。 けれど、それをどうしても押すことができなくて。 やっぱり学に会うことなんてできないよ。
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