温めてやるから

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「だから、これを持っていってほしいのよ」 「……嫌だよ」 「はあ?」 「お母さんが行ってくればいいじゃん」 「あんたたち、喧嘩でもしたの?」 そんなに一緒にいて楽しいの?とよく訊かれるくらいにいつも一緒にいたからか、お母さんは不思議そうに首を傾げながらそう訊いてきた。 けれど、ただの喧嘩ならどんなによかったか。 「とにかく行かないから」 そう言って、お母さんに背中を向けるように寝返りをうった。
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