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『拓也ののばし始めた長髪、お姉言葉、スタイリスト…この3つの要素が嫌で女達は拓也を嫌いになり拓也もまた仕方なく付き合ってたからすぐに別れて』
佳那子は私を見ながら続ける、だから私は赤くなり違う方向を向く。
『こっちを向かない?』
私は素直に佳那子さんを見ると手をのばし私の髪を持ちサラサラと遊ぶ。
『付き合ってって言われ仕方なく付き合って、嫌になったからって別れてと言われ。それじゃああんまりにも拓也が可哀想過ぎて。
もっと早くに美和ちゃんと会いたかったわ。
そうすれば拓也も人並みに恋をし嫉妬もしていたんじゃないかしら』
『人並みに?』
『イジメられた思春期だったからそういう対象で女を見てなかったし、最初に付き合った女が最悪でね。
仕事で疲れているのに、ベッドに入ってくるから仕方なくそういう行為も義務的になって。
拓也には残酷過ぎる。
あなたを見ていると、もっと早く拓也は美和ちゃんと会うべきじゃなかったのかと思えるわ』
『私なんて…』
『拓也を恋愛感情として見れない?』
『………』
そんな質問をしないで…
忘れなきゃいけない人なのに…
あなたには彼女がいるんだから…
私は首をふるしか出来なかった。
『そう、惜しいわね。じゃあ拓也の部屋を掃除したのは何故?好きからじゃないの?キスチョコはハートじゃなくても良いんじゃない?好きだから洗濯も、ワイシャツのアイロンもやったんじゃないの?』
『佳那子さん…』
『拓也は…拓也は喜んでいたわ。拓也もきれい好きで家事はしていたけど最近家事をする気になれないってイライラしてたから。
余計にね、嬉しかったんだと思うわ』
松本さん…
『親切でやる家事じゃないわね、そうだとしたらあなたは相当なお人好しよ。
拓也を少しは気にかけてくれていたのかと思っていたけど…』
『佳那子さん…』
もう、もうどうにもならないのよ。
元彼女が彼女になってしまった以上は…
私はお母さんやお父さんから鍵を借りて内緒で掃除をするくらいしか、気持ちを表せないから…
『惜しいわね。拓也は華奢なところも気にしててあたしとさほど変わらないくらいの身長だから、付き合う女も拓也くらい身長あったから嫌だったと思う。
だから美和ちゃんくらいの身長差が拓也にはちょうど良いのよね。
あなたにその気がないならもう言わないけど』
次の日佳那子は朝風呂に向かい、美和はその後を恥ずかしそうについていった。
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