《第8章・まっすぐに…》

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『怖い時に寄り添って守ってほしい人は?』 『………、佳那子さん、智行兄』 『また最初抜けてる~、黙ったら拓也だと思うわよ。っていうか何であたしも入ってんの(苦笑)』 『あっごめんなさい』 『今までに嫌な男は?』 『バイト先の浪人生・バイト先のアパートの人・クラスの男子達』 『拓也と智行兄を比べたら?』 『………わからない』 『拓也って言ってほしかったわ~、智行兄ってそんなにイケメンなの?』 『イケメンです』 佳那子は苦笑し拓也がいなくて良かったと思ってた。『じゃあ拓也と智行兄とどちらとエッチしたい?』 『………わからない』 『エッチしたくないの?』『………』 『拓也本人から聞く話では【付き合ったあの女達には早くて乱暴で義務的だった】けど、美和ちゃんには長く優しくするんじゃあないかしら』 『長く優しく…(照)』 『長く優しくよ』 車は高速を降り街に入り定食屋さんに駐車した。日曜のお昼時…家族連れ・スーツ姿の団体もいた。 佳那子さんはカツ丼にうどん・私はミニまぐろ丼にうどんを注文した。 『話が中断したわね』 と佳那子さんが言うから赤くなる私。 長く優しく…(照) 今頃松本さんも菊地さんのうどんを食べているに違いない。 定食屋を出てマンションや家の方向に向かう国道に入るのかと思いきや、逆方向へと車を走らせてく。 『佳那子さん家やマンションより反対方向です』 『知ってる、こっちの仕事も引き受けたから今日は拓也のマンションへ帰るつもりよ。だからゆっくりしていこうと思って、時間良い?』 『はい』 恋愛映画を観て『良いわね~』と余韻を楽しみ。次に向かった店で佳那子さんはコーヒー、私はオレンジジュースでお互いにパフェを楽しんでいた。 『口にクリーム付いてる(笑)』 佳那子さんは口に付いてる生クリームを指で取り私の口もとに持ってくる。 前にもあった、松本さんの指先を恥ずかしそうに舐めたんだっけ。 舐めるまで待つつもりなのかな?私は恥ずかしそうに佳那子さんの指を舐めた。『美和ちゃんって初よね、あたしのまわりの仕事先のモデルはこんな事じゃ動じないけどね。ある意味かわいくないっていうけど』 『指を舐めるとか緊張しちゃって』 『だから拓也にも新鮮なのかもしれないわね』 『松本さんは…私の事は妹みたいだって』 パフェを食べながらスプーンが止まる… 私は妹みたいだって…(哀)
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