0人が本棚に入れています
本棚に追加
『私からなんて迷惑かもしれないけど…松本さんに』『拓也に直接渡してあげれば良いのに』
『ううん』
会ってしまえばまた会いたくなる…
今みたいにハグをされれば寄り添いたくて、背中に手をまわしてしまいたくなる…
忘れなくちゃ…
『グラス?』
『はい、後レモンチョコパイも』
『そういえば試食味見してたわね、アレ?』
『合うの?って半信半疑で食べたら美味しくて』
『拓也に…渡してあげるわね』
『ありがとうございます』これで松本さんとはサヨナラしなくちゃ…!
一方、松本は。
9時30分すぎ書き込みのチェックをし、ため息をついた。
『減らないわね…美和どうしてるかしら』
携帯を手にしかけてみると今日は電源を切ってないらしいっ、コールが止まり…出たらしい!
『美和ちゃん、あたしよ』嬉しさを隠さずに話しかける。
『はぁい、美和でぇす』
『姉貴っ!えっ?あたし姉貴にかけたはずは…ごめん、またかけるから(焦)』
『合ってるわよ、この携帯美和ちゃんのだから(笑)』『えっ?じゃあなんで姉貴が』
『【美和ちゃん、あたしよ】(笑)こうやってささやくような甘~い声で美和ちゃんに話しかけるんだ(笑)拓也も変わるものね』
『姉貴ぃ、美和に変わってよ』
佳那子は美和に携帯を渡すが、美和は首をふる。
『美和ちゃんは隣で寝てるわよ』
『寝てるの…じゃあ仕方ないわね、起きたら《おやすみ》とだけ伝え…ん?美和の声?姉貴、美和に何をやってるの?』
『耳に息を吹きかけてたら反応してるわ、かわいいかわいい』
『姉貴~、寝てるのに起こしたら可哀想だろ~。美和は感じやすいって言ったでしょ』
『意外に色っぽい声だすのねぇ…声聞く?』
『姉貴、美和寝てるんだろ?可哀想だから寝かせてやってよ』
電話の向こうで『ん…ん…ふぁあ…』って美和の声がする、拓也はドキドキしてきた。『やぁ…もぅ…』あぁ、久しぶりに聞く美和の声、しかも色っぽい。
抱きたい!
『姉貴~頼むよぉ、可哀想だから寝かせてやって』
『聞きたくないの?耳と首すじに息をかけて触っただけよ、あ~あ~、浴衣はだけちゃって(笑)拓也さんって言わせてあげようか?』『もう、あたしにはフラストレーション溜まり過ぎ!たまらないからやめてってば』
聞いてないらしく美和の『あぁ~…』って声!
『姉貴、美和に何を!』
『背中に手をまわしてハグしただけよ』
『美和は感じやすいんだって~』
最初のコメントを投稿しよう!