《第8章・まっすぐに…》

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電話から聞こえるのは、姉貴の笑い声に美和の色っぽい声。 『姉貴、姉貴ってば!美和に何を!?聞いてるの!』『怒鳴らないでよ、うなじを触ってたのにぃ』 『感じやすいって言ってるでしょ!美和は寝てたなら寝かせてやってよ!』 『どうしたのよ、美和ちゃんのかわいい声聞かせてあげてるのに。急に怒ったりして』 『姉貴、温泉旅行…あたしを出し抜くような事するのやめてよね』 『バレた(笑)機嫌なおしてよ。拓也にお土産画像送るから(笑)』 電話を置くかすかな音がして、別の携帯を取る音がする。 そして拓也の携帯に画像が何枚も送られてきた。 『画像を見たらご機嫌になるはずだわ(笑)まったく美和ちゃんの事になるとムキになって(笑)こんな画像女湯には入れない拓也には撮れないのよ。感謝してほしいもんだわ。じゃあね』 『姉貴、あね…き』 電話は切れてしまった。 【こんな画像女湯には入れない拓也には撮れないのよ】こんな画像? 拓也はミネラルウオーターをグラスに入れてひとくち飲み、テーブルに置いてキスチョコをひとつ口に入れ受信画面を開いた。 ※お揃いのリボン、膝丈の新しいワンピースが風に舞う…かわいい! ※これは足元からのアングル…嬉しいけど姉貴やりすぎ(笑)下着が見えそうで見えない、惜しい!(苦笑) ※お風呂の脱衣室!美和が浴衣を少しだけ肩からずらして、恥ずかしそうに姉貴の方を向いたのか。 読者モデルと違って恥じらう顔が良い(照) 拓也はグラスを手に取りミネラルウオーターを飲み、キスチョコをまた口にすると次の画面を出すと《出し抜いた姉貴を許してるあたしがいた(照)》 『【風呂あがりだから大事にしてね(笑)】だって(照)姉貴~』 ※脱衣室に入ったばかりらしい!水滴をとった髪、顔や首、肩、鎖骨等まだ水滴が残ってる。拓也から見て右胸に巻いたタオルの端が胸に差し込まれ、タオルの光と影から…胸のリアリティーがあり拓也は何度もミネラルウオーターを飲んだ。 恥ずかしそうな美和、何かを喋りかけたのか口が半開きでかわいい。無造作に頭にも巻いたタオルから後れ毛が色っぽい。頭から胸までのアップショット。 『これはたしかに姉貴じゃなきゃ撮れないわ(照)仕方ないわね、出し抜いた姉貴を許してあげるわ』 ※部屋らしい、姉貴にしがみつき見上げる美和。不安そうな顔。あたしは美和のこんな顔を何度も見ている!何かあったの!? 『また姉貴に守ってもらう何かがあったの?…』
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