2章

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どんなに、自分の心が泣きたくなっても嫌なことがあっても無常な事に次の日はやってくるもので。 朝、 昨日はどうやって帰ってきたかも覚えていない。風呂には入ったようだがどうやって床に就いたかも覚えていなかった。 「あー…だりぃな」 寝起きのまま、頭をガリガリとかく。 ポットに水を入れて湯を沸かしながらカップにコーヒーの粉末を入れる。 顔は洗っても髪の毛はそのボサボサなまま。 どうやら整える気はないようだ。 カップに湯を入れながら煙草に火を付ける。 一口大きく煙を吸って、吐いた。 辺りに漂う紫煙。 昨日のことが夢のようだった。 コーヒーを飲みながら準備をする。 綺麗なスーツに袖を通すが、如何せん頭はボサボサでどこか不潔に見えてしまう。 まだ昨日ヒゲを剃っただけマシに見えるだろがそれでもどこかだらしない。 「さぁーて、行きますか」 煙草を咥えながら職員寮をダルそうに出て行く。 昨日の出来事なんてその後ろ姿からは想像も出来ないぐらい自然だった。
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