2章

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むしろ手が出ていた。 その代り、無気力になってしまった感は否めないけれども。 「えー、なら、ちょーっと見せてくれたらすぐ終わることなんだからぁ寧ろ、隠されてると暴きたくなるのが人の心理ってもんじゃなぁい?」 「そんな心理はぽいっとしちゃいなよぉ」 こうもぐいぐい来られるとは。 まぁ確かに頑なに拒まれると暴きたくはなるなぁ、と思ってしまう。 こうなれば、見せてさっさと終わらせてしまうほうがいいのかもしれないとまで思った。 こいつらが俺の黒歴史を知っている訳ねぇんだからささっと見せてしまえばこいつらの興味もすぐに薄れるんではないだろうか? そう思い至り、怜は口を開きかけた。 「お前ら、そんなくだらねぇことしてる暇があるなら行事内容の提案書を早く俺に提出しろ」 怜の開きかけた口が何の音も発さないまま口を閉じた。 今まで黙っていた橘は不機嫌な顔で二人を睨んでいる。 提案書を早くださねぇと締めあげるぞと聞こえてきそうなほどの気迫だ。 「は、はぁい」 「わ、かりました」 二人は見てわかるほど怯えていた。 神田と青井は先ほどまでのやり取りを忘れたかのように急いで自分たちの机へと戻って行った。 橘の方を見ると、ばちりと重なり合う視線。 「早く煙草でも吸いに行け、くそが」 バツの悪そうな顔で言われたそれは、素直ではないいつもの橘だった。 怜は思わず笑ってしまう。 「っふ.....じゃあ、お言葉に甘えさせてもらおうかなぁ」 じゃあ、放課後なーと手をひらひらと振って生徒会室を後にした。 ....助けてくれたのだろう。 困っていたから。 ほんと空気の読める奴だわ、生徒に甘える教師ってなんなの。 なんて可笑しくて笑ってしまう。 割かし、機嫌の良いまま向かう先は数学準備室。 内ポケットに手を忍ばせては指に箱が当たる感触を楽しむ。 ああ、やっと煙草が吸えるなぁなんて思いながら
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