第1章

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平成25年4月 わたし中島ルミは、高校の入学式のために静まりかえった体育館に立っている。 「学校長 式辞」 …早く終わんないかな~。足、痺れてきたし… 「それでは~1年部の担当教諭を発表する」 …担任誰だろ。変なやつじゃなければいいけど… 担当教諭とやらの大人が15名ほど舞台に並ぶ。 その大人たちは順番に挨拶をしていく。 「1年5組担任の杉本です」 …あれが担任か。普通の感じ。… わたしの担任、杉本は小さくてメガネをかけた色黒の人。 1年5組の集団、つまりこちらを見ながらニコニコ話をしている。 …変な感じじゃなくてよかった。ん、え?… 少し視線をずらす。 杉本の横の横の横くらいか、体格のいい大人がこちらを見ている。 なぜか目が合って離れない。 …いや、マジでタイプ。超カッコイイんですけど!… 挨拶は体格のいい大人に順番が回る。 「1年部体育担当の高安です」 …高安、先生、かぁ… それがわたしと「彼」との最初の出逢いだったーーー。
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