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「聞いているのか?終わったら、俺を呼べ。分かったな?」
分かった、と返事をする前に、男は何処かの部屋にスッと消えていった。
しまったな、と思う。
男に名前を聞くのを忘れた。
「まあ、良いか……」
その時になったら考えれば良い。
そんな適当なことを頭の中で見繕いながら脱衣所で服を脱ぎ、風呂場と呼ばれた大浴場に俺は足を踏み入れた。
アイツは金持ちなのだろうか?
湯は掛け流しテイストで、円形の湯舟はもう湯舟の領域を超えているし、シャワーも何故か三本もある。
銭湯じゃねぇか。
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