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目を閉じると、真っ白なフラッシュを思い出す。
安定した職で無いということは分かっていたが、まさか、こんなに早く無職になるとは思っていなかった。
西海史スエキよ、今年で三十路だ。
どうするんだ?と自分に問いかけてみたが、何も答えが見出せなかった。
人気の無い路地裏でしゃがみ込み、土砂降りの雨に打たれ、今の俺は完全に捨て犬だ。
非常に寒く、白い息が出る。
晴れていれば、夜空には星が沢山見えただろうに。
「んだよ!何見てんだ?」
何度目かの怒声を浴びせ、変な奴から身を守った。
顔だけは良いと言われるからな、変な奴が寄ってくるのはそれが原因かもしれない。
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