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右の方から、ゆっくりと傘に雨が当たる音が近付いてくる。
暫くすると、伏せた目の端に二本の足が映り込んできた。
また変な奴だと思い、怒鳴り散らすために顔を上げる。
此方を見つめる白いワイシャツにカーキのズボンの髭面の男、伸び切った髪はボサボサだ。
それに似合わず高身長で体型は細マッチョである。
「何見て……」
「退けよ。俺の家なんだよ、そこ」
完全に怪しい奴だと頭で理解し発した言葉は、真面目な言葉で遮られた。
「はぁ?ここが?」
立ち上がり、今まで自分が座っていた汚れたアスファルトを指差し俺は驚愕の顔をした。
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