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綺麗な人だ。失礼なことを言ってしまうと、綺麗な熟女だと思う。
染めているのか、派手じゃない長い赤茶の髪を後ろの低い位置で一つに纏め、気品溢れる服装に花柄のエプロン。
彼女は一体、誰なのだろうか。
「あら、起きた?鮫島くん、何も言ってなかったけど、君はお友達?」
ニコッと笑った顔に今、俺は凄く癒されている。
離したく無かったが、視線を彼女の方から離し、未だに俺の上で器用に眠り続けている毛布に向けた。
この男、鮫島というのか。
苗字だけでも知ることが出来て、これから名前を呼ぶことが可能になった。
「いや……、あの……、初めまして。西海史スエキです」
視線を戻し、何を言えば良いのか分からず、馬鹿な俺は取り敢えず、名前だけを言った。
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