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「ほぅ……、面白い。─────良いだろう、入れ」
お気に召して貰えたようだ。
なんとか今日の寝床は確保出来た、と思う。
まだ、このビルの中がどうなっているのか分からない。
路地裏を照らしていたのは、向かい側の何かよく分からない店の看板だけで、あまり明るく無かった。
「……お邪魔します」
涙を拭いながら、戸を閉められる前に中に入り込んだ。
小さな豆電球が三個、天井にぶら下がっている。これでは点いている意味があまり無い。
足元が階段だということだけは分かったが、おぼつかなかった。
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