第1章

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 コノノは世界の果てで困ってます。手伝って下さい。 4つ目の日記は、描ききれない地図になっています。 描き足して、書き並べて、いつか白紙が尽きたら。  どうしよう。  イルカのダンス王、トルトの背中でプカプカして、 砂浜のミミリハ先生へお礼を言って。先生も先生で 大きなカッコイイ鋏をチョキチョキさせてお見送り。 『コノノ。また会うだろう。何か話を聴く為に。』 「はい、楽しい踊るようなトルトみたいな話を、 先生に教えて貰った事が、どんな勇敢なのかとか、 日記に書き溜めて、また会います。ありがとう!」 『コノノの世界は、まだ始まったばかりだ。』  トルトが勢いよくジャンプして仲間に言ったの。 『それじゃあ、コノノ。行くよ。ミミリハさん又ね。』 『いってらっしゃい。』  ザパーン!            *  海の上を行くのかと思ったのです。コノノ泳げない。 関係ないのです。海の中は凄く奇麗で。涼しくて。 絵の具に詰めたい色が一杯で、息が苦しくなる前に。  10匹の白いイルカは、交代で浮かび上がっては 潜ったトルトが、水面目掛けてジャンプ一回転。空が。 空と雲が逆さまで。池に映ったみたいになって。  すぐに浮かんでいた別のイルカにピョコンと座って、 『ハイ、掴まっててね。コノノさん。』美しい声。 トルトのお母様なのかな。考えながら海へ潜って行く。  まるで、海の中に長い長い透明なチューブがあって トルト達は、踊りながら潜り浮かび、飛び跳ねながら、 先へ、その先へ、もっと先へ。あっという間の速さ。  それは鳥のように自由で。こんな風に泳ぎたい。 そう、コノノはトルトとの勝負で負けたのだから、 泳げるようにならないといけないんです。 「どうやって、こんな風に泳ぐの?トルト!」 『まずは歌いなよ。ダンスには歌がいるんだ。』 「コノノあんまり歌は一杯知らないけれど、判った。」  呼吸。流れ。波のリズム。風の向こう。音が集まる。 音が、音が集まって溢れてくる。な、なに?  トルト達が、止まって海にプカプカしている。 目の前に、ミミリハ先生の島の何百倍くらいあるような 大きな島があります。ここはどこ。世界なの?             * 『コノノ。ここも世界だ。あそこは島じゃない。陸だ。』 「陸。」 『僕は陸へは行けないんだ。踊れないんだよ。でもね、
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