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あと”ねーさんさん”は必要ないからね。』
*
道。ここを進めば世界が始まるんだ。果てにも
行けるんだ。誰にでも会える。何処にでも行ける。
でも、どっちへ行けばいいのだろう。右?左?
「ポポナナ。コノノは道をどっちへ行けばいいの?」
『フニ?コノノは何をしに道を進みたいのね?』
「うん。あのね。歌を覚えたいの。沢山。そして
踊れるような歌を覚えないといけないの。」
『それなら町へ行くのがいいと姐さんは思うね。』
「町はどっち?」
『コノノ一人じゃ危なっかしいね。おいでなね。
愛すべき我が家に、朝食に招待しようかね。』
「本当!嬉しい!」
スタスタと気品良く歩き出すポポナナ。左の道へ。
そのまま、後について行こうとして、ふいに戻る。
樹の下へ。
「オリーヴさん。一晩ありがとうございました。」
潮風が吹く。葉がサラサラとなる。太陽が昇る。
イデアに潤いのあるオリーヴの実の色、ひとしずく。
『コノノ。行くよね。』
「うん!ポポナナ!」
これは夢じゃないんだよ。コノノ。忘れないでね。
果てから海へ、海から道へ、道から町へ。そして人へ。
忘れないで。忘れないでね。その風も。この道も。
まだまだ、コノノの世界は始まったばかり。
新しい友達と一緒に進む。走る!
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