第1章

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あと”ねーさんさん”は必要ないからね。』            *  道。ここを進めば世界が始まるんだ。果てにも 行けるんだ。誰にでも会える。何処にでも行ける。  でも、どっちへ行けばいいのだろう。右?左? 「ポポナナ。コノノは道をどっちへ行けばいいの?」 『フニ?コノノは何をしに道を進みたいのね?』 「うん。あのね。歌を覚えたいの。沢山。そして 踊れるような歌を覚えないといけないの。」 『それなら町へ行くのがいいと姐さんは思うね。』 「町はどっち?」 『コノノ一人じゃ危なっかしいね。おいでなね。 愛すべき我が家に、朝食に招待しようかね。』 「本当!嬉しい!」  スタスタと気品良く歩き出すポポナナ。左の道へ。 そのまま、後について行こうとして、ふいに戻る。  樹の下へ。 「オリーヴさん。一晩ありがとうございました。」  潮風が吹く。葉がサラサラとなる。太陽が昇る。 イデアに潤いのあるオリーヴの実の色、ひとしずく。 『コノノ。行くよね。』 「うん!ポポナナ!」  これは夢じゃないんだよ。コノノ。忘れないでね。 果てから海へ、海から道へ、道から町へ。そして人へ。 忘れないで。忘れないでね。その風も。この道も。  まだまだ、コノノの世界は始まったばかり。  新しい友達と一緒に進む。走る!
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