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「こんにちは」
時刻は午後四時半。
空には真っ赤な夕陽が浮かび、僕たちのことを見物しているようだった。
「こんにちは」
いつもと同じ挨拶を交わし、いつもと同じ場所に座る。
そして、いつもと同じようにたわいない会話を続けた。
全部が同じ。
それをもう、かれこれ一ヶ月間。
いつもならとっくに飽きている頃だけど、この時間だけはとても楽しくて。
チョコレートを湯煎にかけるみたいに、学校ですっかり固まってしまった僕の心をじんわりと溶かしてくれる。
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