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どこか上機嫌な修一は、途中まで一緒に行こうと言って、俺の肩に腕を回した 突然、何の前触れもなく俺の肩に置かれた腕。走ってきてたからだろう、俺よりも高い熱を放つ身体が、俺をますます追い立てる これ以上上がれば、熱中症になるんじゃないのかって位には、風邪なんかとはまるで違う熱が俺の身体を蝕んだ 突然近くなった修一との距離に耐え切れず、やんわりと、しかし何も言わずに修一の腕を肩から退かす 気付かれない様にそっと修一との距離を取り、お互いの間に30cm程の間を空けて歩き出した そんな俺を見て、またか、といった溜息が隣から聞こえてきた。そう思われてしまう位には、珍しくない行為だという事だ 「さとー、まだ潔癖症治ってねえの?そんなんじゃ彼女出来た時大変だぞー」 「別に、潔癖とかじゃない。ただ、暑かっただけ」 お前に触れると、どうにかなりそうだから、触れたくないだけ これ以上近付かれたら本当に困るからと、俺はいつもこうやって距離を取る。触れると、どうしても込み上げてきてしまうから嫌なんだ お前が好きだって、大好きだって気持ちが 俺は男で、修一も男なのに。本当は、抱いてはいけない感情なのに 多分、触れたら、止まらなくなる。親友じゃいられなくなるとわかっているから、余計、この距離感は俺にとって重要なものとなる 俺の触れたいという気持ちは、友達のそれとは明らかに違う。修一が俺に抱いているのは紛れもない友情だけど、俺は違う 胸を締め付ける、恋愛、感情 どう足掻いたって、俺と修一の感情は交わらない。それでも隣に居たいから、俺はこうして距離を取る 30cm。これが、一番ベストな距離。近過ぎず、離れ過ぎず 触れたくない。触れられたくない。近付かないように、近付かれない様に いつだって細心の注意を払ってる だから、そんな簡単に、触れてこないでくれ
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