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中学校の時は、まだ、よかった 修一に好きな人が居るって言ったって所詮片想いだったし、惚れっぽい修一は、好きな人が出来る度に相手にアタックを繰り返すも、上手く行かずあっさりと振られたりして だから、この時の嫉妬心なんてほんのちっぽけで、可愛らしいものだったと思う しかしその幻想が打ち砕かれたのは、高校に入って直ぐの事だった 修一に、初めて恋人が出来た。相手は隣のクラスの女子生徒で、相手の方から告白されたのだと修一から嬉しそうに報告された 俺はその時、修一が片想いをしていると言った時とは比べ物にならない程嫉妬に狂った。それはもう、この世の終わりにも似た絶望感を味わう位に 背が低かった時はあまりモテ無かったのに、高校に入っていきなり伸びた背と、筋肉質な身体と中学校の部活動引退と同時に伸ばした髪の毛 勉強はあまり出来ないけど、優しくて、人当たりも良くて、そんな修一に女子生徒達もだんだんと気付き始めてた 俺だけが、ずっとあいつを見てきたのに。あいつだけを見てきたのに いつの間にか見た目も性格も男前に育ってしまった幼馴染は、異性からモテる様になっていた 修一が彼女と歩いているのを見る度に、触るな、そいつの隣は俺のものだって 手を繋ぐな、それ以上近付くな やめろ、やめろ、やめろ……っ そんな事を沢山思って、その度になんで俺は女じゃ無いんだとか なんであいつは男なんだとか なんで俺は、男を好きになったんだって、自己嫌悪した あいつに想いを伝えられる女が羨ましかった。女ってだけで、あいつと付き合える女が妬ましかった 女に産まれたかった訳でも、女になりたい訳でもない。ただ、俺は一生、女を好きになれそうにない でも、あいつは恋人と長くは続かなかった。彼女の方から別れを切り出されては、振られる度に俺の所に来て慰めろなんて言ってくる それが堪らなく、嬉しかった。またか、なんていいつつ心の中では歓喜してた 振られたあいつを慰めて、優しくして、存分に甘やかして、俺は弱った修一にジワジワとつけ込む様に、侵食する様に俺はそれを何度も繰り返す 好きな奴が振られて喜ぶなんて、最低だって事は自分でもわかっていた。それでも男の俺は、こうやって少しずつ内側から攻めるより他に方法が思いつかなかった 最低でも、なんでも、修一が俺の所に来てくれるなら それでいいと思った
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