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「修一っ!」 俺は自分の荷物を引っ掴み、慌てて店を出て行った修一を追いかけた。左右に視線を向け修一を捜すと、修一は然程遠くへは行って居らず、とぼとぼと駅の方角へ歩いていた 姿を見て咄嗟に名前を呼べば、俺の呼びかけに気付いたのか、修一は少し驚いた様子でこちらを振り返った 「ん?あれ、さとまで出て来なくて良かったのに」 まだ飲んでたんじゃねえの?なんてクスクスと笑われるもんだから、少し戸惑いつつも、ああいう空気好きじゃないからなんて言い訳をして修一の側まで歩を進めた 目の前に立って、少しだけ呼吸を整えるも、心臓の鼓動は一向におさまらない 「修一……あ、の、さ」 「うん。どうした?」 「あの…………」 ああ、どうしよう。勢いで追いかけてきてしまったけど、俺は、何て、声をかけたらいい 呼び止めたものの、俺は自分がどうしたいのかわからなかった。別にあの場所に戻りたいとは思わないし、そもそもあの空気が好きじゃないと言ったのは本心からだ じゃあ、俺は、かける言葉も持ち合わせず、何故追いかけてしまったんだろう。この行動は、自分でも予想外だった 結局何も言わずに押し黙る俺の耳に、優しい様な、どこか仕方ないなと言った声が届く。俯き気味になっていた顔を上げれば、修一は遠くに見える公園を指差していた 「……なあ、さと。コーヒーでも、飲まね?」 「ほい」 「ありがと」 俺は修一から自販機で買った缶コーヒーを受け取り、二人で公園のベンチに腰掛けた。指先に冷たい感触を受けながら、プルタブを持ち上げる 暫くは、お互いに無言だった。特に会話をする事なく、ただただ缶コーヒーを口に運ぶ 時間経過は驚く程ゆっくりに感じた。小さな公園には、夜と言う事もあり通行人もあまり居なくて、とても静かだ 最初に静寂を破ったのは、俺からだった。横目に修一に視線を向ければ、やはり先ほどの事を気にしているのか、修一は表情には出さないがいつもより背中を丸めて俯き気味に地面を見つめていた お前がそこまで、気にする事は無い そう言って、肩を抱き寄せられたら、良かったのに
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