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「お前は正しかったよ。人の気持ちを、笑う奴が悪い」
「……うん。俺さ、こう見えていつも恋愛とか真剣なんだよ。だからなんか許せなくてさ」
付き合って別れてを繰り返してる奴が何言ってんだって話だよな、なんて言いながら修一が自嘲気味に笑うもんだから、俺は胸がじんわりと熱くなった
抱き締めて、何もかも包み込んでしまいたいと思った
修一の気持ちに、少しだけ触れた気がした。温かくて、優しくて、心地良くて、切なくて、とても綺麗だ
「今まで付き合ってた彼女達にも、きっと、修一の気持ちは伝わってると思う。少なからず俺は、お前のそういう所……結構、好きだ」
「さと……」
「あー、恥ずかしから、今の無し」
「ふはっ、もう聞いた。ありがとな」
本当は、結構っていうレベルじゃない位好きだ。大好きだ
告白じゃなくて、こんな風に好きって言うのさえも、凄く勇気がいる。言った後で急激に恥ずかしくなって、俺は片手で顔を覆った
そんな俺をからかう様に、修一が脇腹を突いたり顔を覗き込んできたりするもんだから、余計、恥ずかしい
それでいて、今までよりもずっと、ずっと羨ましくなった。お前に、愛される奴が
「あ……あの、さ……」
「ん?」
「さっき言ってた、あれ……本当なのか?」
「何が?」
「好きになったら、男でも……みたいな」
本気2割、好奇心8割ぐらいの割合で聞いてみたくなった。……いや、嘘だ。本当は、10割近く本気
本当に、修一が男も大丈夫なのか。抵抗とか……気持ち悪いとか、感じないのか
知りたい。知りたい。知りたい
今までずっと、男は駄目だと思っていたから。それで何度も何度も諦めようとしていたから
だから……もしかして、俺も、恋愛の対象として見られる事が出来るんじゃないかなんて
馬鹿な考えだとはわかっていつつも、聞かずには居られなかった。だって、俺はこいつが好きなんだから
さっきの修一の言葉に、淡い期待を抱いてしまった。好きになってもいいんだと、思ってしまった
「ああ、うん。本当だよ。それに好きって言われたら、性別なんて関係なく、嬉しいし」
「……っ……」
本当に?
本当、なのか。さっきの言葉も、今の言葉も
なあ……それってさ、俺も好きだって言ったら
嬉しいって、思ってくれんの
キスしたいとか、そう思ってる好きでも、受け止めてくれんの
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