【4】

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俺の心とは裏腹に、修一は何だか嬉しそうに微笑んでいた。失くしたと思ってたオモチャが見つかった子供みたいに、無邪気な笑顔で 何も変わらない。あの日の出来事なんて、まるで何も無かったみたいに修一の笑顔は屈託がなくて 修一の中ではあの出来事は何でも無かった事になってるんだ。俺の想いは、俺が言い訳した通り、冗談で済まされてる 冗談だと言ったのは、俺 忘れろと言ったのも、俺 ああ、本当、矛盾してる。自分で言っておきながら、なんでこんな、傷付いたみたいになってんだ 「メールでも言ったけど、今日のバイトは何時から何時までのシフト?」 「……悪い、今日は夜勤だから。俺、用事あるからさっさと済ませたいんだけど」 だから、その手を退かしてくれ 俺の腕は、何故か修一の手中にあった。肩を掴まれ、振り向かされた後で腕を持たれた。痛くは無いが、結構強く掴まれてる ……まるで、俺が逃げないようにしてるみたいだ 心を見透かされた気分だった。だって俺は、こんなにも、ここから逃げ出したい 「ちょっと待って。じゃあ明日は?明日ならバイト無いよな?」 「あー、えっと、明日は泊まりに行く約束してるんだよ」 「……それって、昨日も泊まりに行ってたんじゃねえの?」 「あ、ああ。一緒に課題やるって約束しててさ」 だから もう、いいだろ。期待、させんなよ 気が無いなら、構うなよ。優しくすんな。それ以上、笑うな
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