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俺の返答を聞いた修一は眉間に皺を寄せ、先程よりも低く、鋭く俺の核心を突いてくる
それも、心臓が跳ねる音が、至近距離に居る修一にまで聞こえてしまうのではないかと思う程の衝撃で
「なんか、さ、俺ってもしかして……避けられてる?」
「……っ……」
「あの飲み会の日、俺、なんか変な事言った?あの日からだったよな。会えなくなったの」
「し、てない。たまたま、タイミング悪かっただけだろ」
「タイミングって、最後に会った一週間前だろ!?こんな会わない事なんて、今まで無かったじゃんっ!これまで、毎日の様に一緒に居たのに……っ」
俺の返答を聞いた修一が、辛そうに顔を歪めて声を荒げる。俺は修一の言葉にグッと言葉を詰まらせ、俯く事しか出来なかった
何度も何度も誘いを断って、その度に何かしらの理由を付けて誤魔化してきたけど、そんなのいつまでも続く筈も無かった
そりゃあ、そうか。あの日から一度も顔を合わせなかったら、怪しむに決まってる
冗談だと言ってたくせに、こんな風に避けてたら流石の修一だって気付くだろ。それに、こんなんじゃ、冗談じゃないと肯定してるみたいじゃないか
それでもここまで来たら後には引けなくて、俺には修一の気持ちと向き合うという選択肢は無かった。ああ、もっと時間があれば、修一にこんな顔をさせずに済んだのか
「……本当に、たまたまだって。来週になったら、ちょっとは時間出来るからさ」
俺の我儘の所為で、そんな顔させてごめん。親友なのに、男なのに、好きになってごめん
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