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部屋に入ると、修一の方が先にソファーに腰を下ろした。修一が、部屋に入ったきりソファーにもベッドにも腰掛ける様子のない俺を不思議に思ったのか、座らないのかと言って首を傾げた 俺は修一の隣に座る事が出来ず、ただただ茫然とその場に立ち尽くす。こうなる前まで、修一が俺の家に居るってだけで、あんなに喜んで胸踊らせてたってのに。今は、何とも複雑な心境だ 好きな相手に、同じ感情を持たれていないまま付き合う事がどういう事なのか俺は知らないが、他の人だったならこの状況をどう思うんだろう 好きな人と付き合えて嬉しいと感じるのか。それとも俺みたいに、虚しくて、悲しくて、訳がわからなくなるんだろうか 「……あのさ」 「とりあえず座ったら?そんな所に居ないでさ」 「いや、このままで、いい」 隣に座る事を拒否すれば、修一は一瞬だけ眉を寄せた後で、まあいいやと呟いた どうしよう。本当に、 何を話していいかわからない。言われるがまま、修一を迎え入れてしまったから。あの声を聞くと、どうにも、判断力が鈍ってしまう 修一の口調は、いつも穏やかで、軽快で。今日の口調とは、まるで正反対だ 今日の修一の声音は、明らかにいつもより低く、口調に荒っぽさを感じてしまう。昨日よりは落ち着いてるけど、それでも、いつも通りとは程遠い 「怒ってる、よな」 「うん、怒ってるよ」 直ぐさま返ってきた返答に、何も言えずにグッと押し黙る。勿論、そんな簡単に修一の怒りがおさまるとも思っていなかった。むしろ俺が突っぱねてばかりだから、余計怒らせてるんじゃないかとさえ思う
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