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その兄と命を賭けて闘うのだ。タツオは唇(くちびる)を噛(か)み締めた。これが進駐官養成高校でなく、普通の高校だったらどれほどよかっただろう。
サイコが再び周囲に人がいないのを確認した。やけに慎重になっている。低い囁き声で早口にいう。
「わたしを呼び出したのは兄のほうだった。東園寺家と五王重工が協力して開発した決戦兵器について、明日の試合を控え、告げておかなければならないことがある。カザン兄さんがそういって、夜の自由時間にこいといった」
須佐乃男計画だ。タツオは手に汗を握り、白いガウンの闘いの女神に扮(ふん)したサイコを見つめた。
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