好きだからだって。

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宗悟が腕を離したのは、人気の無い路地裏に連れていかれてからだった。 それまで、自分のペースじゃない宗悟の歩くスピードで歩かされたから、若干息が上がる。 応援団のキツイ練習で鍛えられてたのに、運動部の練習量には叶わないって訳か。 支えが無くなって、少しフラつく。そのまま、近くにあったビルの壁に凭れた。 「……………はぁ……っ、宗悟、お前、どーいうつもりなんだよ……………っ。」 宗悟も、向こう側のビルの壁に凭れて、項垂れている。 ……………………くそっ。 何か、夏休み前を思い出すんだけど。 「何か、言えよ。お前。」 「……………………もう、違う奴に乗り換えたのかよ。」 「……………………は?」 「俺の事、好きだって言ったのに、もう違う奴見つけたのかよ………………っ。 俺に対するお前の気持ちって、そんなに簡単に切り替えられるもんだったのかよ…………………っ。」 …………………………………………。 何なんだよ。 これ。
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