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盆入りの今日、私は自分の実家に帰らず、契約の内容に従い偽恋人の実家を訪れていた。
今日、ここで私が恋人として紹介されても、きっといつか、また新たな女性が秀臣と共にこの家へ挨拶に来るのだろう。
どちらかに心から好きになる相手ができれば、もうこの契約は無効になる。
私たちは、お互いの不本意な縁談を避けるため、心のない偽装恋愛を続けるだけなのだから。
例え偽装の関係であっても、秀臣の傍にいられるならそれで良かった。
でも、彼が誰かを心から愛するようになれば、偽恋人役の私はもう不要になる。
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