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「はぁはぁはぁ‥‥‥ご、ごめん、エリア‥‥。」
時間。10:12。
思いっきり遅刻ってしまった。
「だ、大丈夫だよ、マキシ!
ほら、あそこのベンチでちょっと休憩しましょ?」
「いやっ!だいじょぶだよ!
それより、早く電車行かないとどんどん遅れちゃうよー!」
「あぁっ!マキシまって!そんな走ったら転ぶわ!」
「だいじょ、ぶっへぁっ!!」
私はそのまま階段につまずきばったーんとコンクリに激突。
「いったぁーーーーい!!」
「マキシ‥‥!もぅ、そんな急がないの!」
「うぅ~、災難だよー。」
鼻を擦りむいてしまったためヒリヒリする。
冷たい風が吹くたびにピリッと痛みが走る。
「泣きたい。」
「えぇっ!?お、落ち着いてマキシ!
と、とりあえず電車乗ろ!?」
ぴぴっ!ぴぴーーー!!
『チャージ金額が不足しております。』
「泣きたい。」
「ちゃ、チャージしよっ!?
一緒についてってあげるから!」
『えー、間もなく電車が参ります。』
「泣きたい。」
「あ!そうだ!ご飯たべよ!?
マキシ、なんにも食べてないよね?
あ、あそこの売店で何か買ってくるわね!」
あ、エリアいっちゃった‥‥。
どうしよ。とりあえずチャージしなきゃだし、並んどこかな。
いちおエリアに連絡いれとこ。
「うぅ。」
人いっぱい並んでるし‥。
「あ!マキシ!
はい!クレープ売ってたよ!!」
「クレープ‥‥‥!」
私の生命の源‥‥!!
「いっただっ‥‥!」
と、ちょうどその時。誰かが私にぶつかった。
その瞬間、私の手にあったクレープは落下。見るも無惨な姿へ。
「‥‥死にたい。」
「マキシーーーーーっ!!」
エリアが抱きついてきた!
「私、マキシが死んだらイヤよ!」
「そ、そんな泣きそうにならないでエリア!
だいじょぶだよ、だいじょぶ!」
「ほんとに‥‥‥?」
っ!?
エリア‥‥かわいすぎ!
「もーぅ!!」
お返しと言わんばかりにぎゅーっとエリアを力強く抱きしめる。
と、まぁ。
こんなことを公共の面前でやっていたものだから周りにギャラリーが増えてきていた。
「わわっ‥。し、しつれいしましたー!」
早々にチャージを済ませ、私はエリアを連れてその場から一目散に逃げだした。
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