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「クレープ姉さーん!」
「あぁん?おーおー、マキシか。
なんだ、またクレープかよ、好きだなぁ‥‥んな、うまいもんでもねーだろ。
無駄にあまいし、つくりづれーし。」
「ちょー、クレープ姉さんがクレープディスんないでよー。」
この人はクレープ姉さん!
なんかもう、本当にまんまの名前だけど本人がそう呼べっていうから仕方ない。
なんでか本名を名乗ってはくれない‥‥。
あ、あと雰囲気通りの元ヤンです。
色の抜けた髪を無造作に一本に結い、タバコをくわえながら雑誌を読みふける姿がお決まり。
「マキシ~はやいよー!
あっ!こ‥こんにち、は‥‥‥。」
「おー、おっす。」
エリアはなぜかクレープ姉さんが苦手。
確かに一見してみると怖いしガラ悪いしで最悪かもだけど、でも本当はすごく優しい面倒見のいいお姉さん!
‥‥なんだけどなぁ。
エリアはちょっと慣れないみたい。
「クレープ姉さん、いつものイチゴスペシャルクレープ!ふたつね!!」
「あいよー。‥‥めんどくせぇ」
「ちゃ、ちゃんと作ってくださいね!!」
あ、エリアが珍しくクレープ姉さんに話かけてる。なんだろ?
なんて思いながら近くのベンチに腰を掛けた。
「エリアー!こっちー!」
「あ、う、うん!」
たったったっと走ってくるエリアが妙に可愛く見えた。
「なにはなしてたのー?」
「ふふっ、なんでも♪
それよりマキシ、明日の土曜日なんだけど良かったら一緒に‥‥その、映画なんて、見たいなぁて‥‥だめ、かしら‥‥?」
「え?全然いいよー!いこいこ!!
なにみよっかー?
てかエリアそんな恥ずかしそーにしなくてもいーのに、かわいんだからぁ~♪」
といってエリアを抱きしめる。
抱きしめたくなる可愛さ、ってまさしくこーゆうのだね!
「おーおー、盛り上がってるトコ悪いねー。
イチゴスペシャルにちょーあがりー。」
「クレープ姉さんダルそーに言わないでー。」
この人、基本的にやる気ないもんなぁ‥。
まぁ、いいや。クレープ♪クレープ♪
「「いただきまーす!」」
「うむ。」
ドヤ顔なクレープ姉さんをよそに私とエリアはクレープをほお張る。
「んーーーっ!やっぱクレープは最高だよーっ!!」
「おい‥しぃ‥‥!!」
「うむ。うむ。」
こうして私は幸せな放課後を送りました。
めでたし♪めでたし♪
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