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「琴美 そういえばなんで俺についてきたんだ?神矢の家でも良かっただろ」
そう言いながら稗田は水を飲んだ。
「あなたのことは あなたのお母さんから聞かされてたから。名前を聞いた時ピンときたの」
「どこで知り合ったんだ?母さんはどんな人だった?俺は母さんについての思い出がないんだ」
「あなたのお母さんとはあの地下祭殿であったわ 生贄にされたって言ってた。その時よくあなたのことを話してくれたわ」
琴美がそう話した。
「いつしかあってもいないあなたに恋をした。だからついてきた」
突然の告白に俺は食べているものを吹き出しそうになった。
「な、何を言ってるんだよ まだ出会って半年しか経ってないだろ」
稗田は照れを隠すのに精一杯だった。
「今すぐに返事はいらない でもあなたになら何されても文句言わないしずっとそばにいるから」
稗田はこんなことを人生の中で言われた覚えがあるかと考えるくらい恥ずかしかった。
不思議な力があるだけというだけで忌み嫌われて来た稗田にとっては初めて純粋な気持ちをぶつけられたからだ。
「俺もお前のことはいいと思ってるよ。俺には時間を逆行する力があるそれは話したよな?」
「その時実は美琴に何回もあってる。逆行した時間を年換算すると100年ぐらいだよ それだけあってる そんだけあってれば好きにもなるさ だから無理やりでも連れ出した」
「そうだったの...でも嬉しい」
そういうと目頭に涙を浮かべながら満面の笑みで微笑んだ。
家に帰ると今までの思いをぶつけ合うかのようにベットに2人で倒れ込んだ。
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