第1章 嚆矢

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それから10年経ったある日それぞれ違う高校に行き大学に行ったため会うことも無かった為A君の事は皆忘れていた。偶々街であの時のメンバーと再会した 近くのファミレスにより皆んなでお茶をしながら幼い頃の思い出話で盛り上がっていた。その中でCが、 「また、あの場所に行くか?」 そう行った。 「今の俺らならあの鉄の扉を開けれるしBと俺とDとお前がいれば開けれるだろ。」 そうCが言うと俺は、 「あの場所に近づくなって10年前親父に言われてるし、あそこは危険な場所だからオススメはしない、でもずっと思ってたんだけどAは多分あそこにいる」 そういった。 「行くならいつにする?早めのほうがいいだろ」 俺がそう言うと、 「そう来なくちゃな来週なんてどうだ?」とBが提案してきた 全員いいということでまたあの因縁の地へ行くことになった。 10年前と変わらず城の跡は草木が鬱蒼と生い茂る雑木林の中にそれはあった。赤茶色に錆びた大きな扉が枯れ葉に埋もれ10年前と変わらない風貌でそこにあった。扉には厳重にロックされていた。 「おい、そこら辺に石ないか? 石でぶっ叩けば壊れるんじゃね?」 とDが言った。 「そうだな、とりあえずやってみろよ」 そうCが言うとDが石で南京錠を叩き始めた。ガン!ガン!と大きな音を立て火花を散らしながら石で叩くがなかなか壊れない。 「くそ、やっぱかてぇな 」 そう愚痴をこぼしながらもDは叩き続ける。すると ”ガギン!”と今までと明らかに違う音がして南京錠が壊れた、 「おい!取れたぞ!」 Dがそう叫ぶとみんな一斉に寄ってきた。「よし開けるぞ」 そう一言言うと四人で扉を開け始めた、ギギギギと金属が擦れる音と共に坑道のような石階段が現れた。 「なんだ…ここ」 俺がそう言ったのは話に聞いていたのとは全く違ったからであった、話に聞いていたのは扉の向こうはさらにお墓が続いている、そう聞かされていたからである。 「懐中電灯を」 そういうとBが渡してきた。 「いいか?ここから先何があっても不思議じゃないしAを見つけたら救出する。いいな?」 そう俺が言うと、 「わかった」 そう一言だけみんないい俺の後をついてきた。
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