第1章

5/6
前へ
/38ページ
次へ
「だからだよ。普通ならこれはワナだ。つれてきているのが軽装歩兵だけというのが引っかかる。戦線の深いところに重装歩兵がいないはずがないだろう。それにレシツァは天然の要害だ。ここを本陣とするつもりだろぅ。だとしたら、もっと備えがあるはずだ。」 「だから、住民総出で防備を固めてるそうだぜ。輜重隊をつれてきているのは住民にばら撒く金、銀、物資を先に運び入れるためらしいぜ。後方で制圧しながら前方では住民をこき使って防備を固めて支配を確立するのが狙いだと俺は思うけどな。だからこそ、後方の制圧に思った以上に時間がかかって軍団主力の重装歩兵が追いついていない。それなら今が一番の好機だ。前線の防備を固められる前に前線を叩き潰してなし崩し的に追い払う。」 「そうとも読めるが、敵の準備が不十分ならこちらの準備も不十分だ。不十分同士で戦っても我々に勝ち目はないだろう。」 「だからこそ、夜襲を仕掛けようと思う。精兵500を率いて東側から夜襲を仕掛ける。帰りは北側から抜けてこっちに戻ってくる。」 「なんか、普通だよなぁ~こっちが集結中なのも知られてるだろうから備えがあるのが普通だろう。むしろこっちも敵の夜襲に備えるべきだろうな。」 「そうかもしれないが、時間がたつにつれて備えが厳しくなっていくぜ~」 「わかった。それならレシツァ東方のバリウグまで兵を進めて異常がなければ明け方に攻撃を仕掛けよう。俺も呼応して北方に兵を進める。」
/38ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加