第3章

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ぞろぞろとまた風紀が倉庫から出てきた。 伊賀がすこしピリついてるのがわかる。 というかみんなピリついてる。 あ、巴だ。巴も来た。 あーあー、この目の前でにやにやしてる男がなぎ倒したやつらを処分係なのか、 あんまいじめないであげてね、なんだかんだ未遂だもん、結局無理やりはよくないって改心したやつらだもん 「…あんた、すげー泣きそうな顔してるけど」 「ねむいんだもん」 善ちゃんは宝物を抱きしめるようにリオさんを抱っこしてる。ぎゅって、何回も確認するようにぎゅって。 よかったね、善ちゃん 善ちゃんの大切な人、ちゃんと無事だったでしょ。 おれが守ったんだから褒めてほしいし、ちゃんと元に戻ってほしい。それくらいよくない? 「…もうわかったよ、後日あんたの前でAVみて抜けばいいんでしょ、それでいいんでしょ」 「なに、急に聞き分けいいじゃん」 「なんかもうめんどくさくなった。」 「へえ」 だから離せ、と体を起こそうとするとそいつの顔がぐっと近づいて 「ちょ、近…っん」 このひとすっげーキス好きじゃん。 制裁系でこんなキスされんのはじめてだよおれ。 「…ん、く、…っ、ふ、」 もーいっか、とりあえずつかれた。 終わったことだし。 よくわかんない結果になったけど、終わったんだしなんでもいいや。 手持ち無沙汰だった手をなんとなくそのひとの背中に回してみた。 動かすのもだるかったべろをなんとなくそのひとのべろに絡めてみた。 なんとなくの行為になにを求めてるのかわからないけど、おれはなんか、どうしたんだろう。 なにがほしくて、なにをこんな虚しく思ってるんだろう。 よくわかんないな、ほんと。
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