第4章

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「はーいこれで箝口令完了」 「はいはいありがとう」 ほんとによかったの?と首をかしげるこの男は例のあの男だ。 どうやったのかしらないが箝口令しいといて、という言葉に素直に頷いたこいつは善ちゃん親衛隊から始まりリオさんにまでしっかり口封じをしたらしい。 「お礼は?」 「チクらないであげてるじゃん」 「は?俺ヤらないであげたよね」 「敬語使いなよ敬語」 部屋のソファに寝転びながらちらりと男を見る。俺がなんでこんなにこのひとに強気でいけるかというとこの男、平野は一個下の一年生だからだ。 だからといって襲ってきた相手を部屋にあげたりなんて無防備すぎるかもしれないがまぁいいや、いろいろめんどくさいんだもの。 「というかなんで平野は俺と一緒にサボってんの」 「だってリオちゃん今日休みっぽいんだもん」 あ、そう、と軽く返して水のペットボトルをつかんだ。 つい昨日のことなのに遠い昔のことのようだ。ちほさんからリオさんのことが回ってきた。生徒会はやっぱ全部把握しなきゃいけないんだね、大変だ。 なんで休んでるんだよ、という山内からのメールには眠いと一言返した。 巴からの昨日の男たちの処理の愚痴にも眠いと返した。 善ちゃんはどうしてるんだろうリオさんのそばに付いてるのかな。 まぁそうだよね、だって善ちゃん優しいもの
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