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夏休みが始まり、私は塾に通う事となった。
勿論、彼氏である修一と同じ塾に…。
今日はその初日。
塾への道のりを2人で歩いていると、心配そうな表情で話しかけられた。
「ミナリ、大丈夫?」
「へっ!?何が?」
「緊張してるみたいだけど…?」
「そ、そんな事ない!よ!」
嘘だ。
実は、めちゃくちゃ緊張している。
何せ、今まで塾など行った事のない私…。
(中学までは成績よかったからなぁ…。)
初めての塾に緊張して、きっと可笑しな表情をしているのだろう。
そんな私に、彼は苦笑いで頭を撫でてくれた。
「大丈夫だよ。休み時間は僕のクラスに来ればいいし。」
「……修一と同じクラスがよかった。」
「それは絶対無理。」
「ヒドッ!!」
わかってるさ…。
頭のいい彼と同じクラス何て、夢のまた夢。
俯いていると、彼がまた頭を撫でた。
「ミナリなら大丈夫。」
「根拠は…?」
「……何となく。」
「何よそれ…。」
「帰りにアイス買ってあげるから。」
「ケーキがいぃ…。」
そう言ったら、彼が優しく笑ってくれた。
不満をもらす私だけど、彼のおかげで緊張が少しだけ取れた気がした。
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