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学校とは違う雰囲気のせいか…私は真面目に授業を受けていた。
(学校でも真面目にしとけばよかった…。)
そんか事を考えていると、消しゴムを落としてしまい、私は拾い上げようと腕をのばした。
「アッ……。」
「はい。」
「ありがとう…。」
消しゴムを拾い上げようとした私の手よりも先に、隣の彼が消しゴムを拾い私に手渡してくれた…。
スマイル付きで…。
(い、いい人だ!!)
前を向く彼の横顔が、仏様にみえた。
(いい人が隣でよかった♪)
私の視線にきづいた彼は、一瞬笑顔を浮かべると、また前を向いた。
「じゃあ…次は佐伯読んで?」
「はい!?」
突然当てられた阿呆な私は、慌てて教科書を見る。
しかし…よそ見をしていたので、何処を読むのかさっぱり…。
「37ページの2行目だよ。」
「へっ…?」
隣を見ると、仏様みたいな微笑みの彼が…。
(何て優しいの!!)
彼の優しさに感激しながら、私は彼に言われた場所から読んでいく。
「お前……やる気あるのか?」
「………はい?」
「今やってるのは、19ページだろ?」
「……………へっ?」
「プッ…。」
「!!?」
隣を見ると、仏様スマイルの彼が笑いをこらえている…。
(騙された!!?)
気づいた時には遅く、私は先生に散々嫌みを言われ、生徒達には冷たい目で見られたのでした…。
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