隣の彼女~涼太の思い~

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初めて塾でミナリを見た時、挙動不審な彼奴を少しからかってやろうと思った。 塾に初めて通う事になった俺は、何か楽しみが欲しかったんだ…。 それから、ミナリとよく話すようになった。 彼奴はからかうと、すぐに本気で怒る。 それでも興味のある話になると、俺に笑顔で話をしてくれる。 自分で言うのも何だが、俺は普通よりは良い男だ…。 だから、女にはチヤホヤされるし女の笑顔にもなれている。 けど、ミナリの笑顔はそんな女達とは何処か違って見えた…。 俺が冗談を言ったりすると、大抵の奴は笑顔で返してくる。 でも、ミナリは俺に本気で向かってくるんだ…。 そんな彼奴と会うのが、俺は何時しか楽しみになっていた…。 それが数日前、らしくなく落ち込んでいて…。 俺の冗談も冴えない返事で返された…。 正直、俺は面白くなかった。 彼奴には、そんな顔は似合わないと思った。 だから、聞いたんだ…。 《恋煩いか…?》 驚いた彼奴を見て、一瞬胸がざわついた。 そして、胸が締め付けられた…。 《彼氏の事何だけど…。》 《お前、彼氏居たんだ…。》 これは俺の本音…。 だけど、彼奴はそんな事に気づきもせずに何度目かの溜め息をつく…。 無性に腹が立った…。 授業が始まっても、彼奴は真っ暗な空を眺めては溜め息をついていた…。 そんな姿を見ていたら、俺まで落ち込んできて…。
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