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公園から大分歩いた所で、ミナリが口を開いた。
「今日はもう、これ以上考えない事にする…。」
「………。」
「だって…この以上考えても、嫌な考えしか出てこないから。」
「それでいいんじゃねぇ?」
「うん…修一とは、もう少し気持ちが落ち着いてから話してみる…。」
「そうか…。」
相変わらず切ない横顔に胸が痛んだが、少しでも前向きになった彼女に素直に喜んだ…。
「荒井には本当、励まして貰った!!実は良い奴なんだね!!」
「今頃気づいたのかよ…。」
「アハハハ!!だって、初日の印象が最悪だったからね!!」
「まぁな…っとお前、携帯かせ。」
「はぁ?何で?」
「いいから!!」
渋る彼女から携帯を奪うと、俺は自分の携帯を取り出しお互いの番号を登録する。
「勝手に登録すんなぁ!!」
「うっせぇよ…。」
彼女に携帯を返すと、俺は嫌みな笑顔で言った。
「また泣きたくなったら何時でも電話しろよ…すぐにきてやるから。」
「何それ…お前はスーパーマンか?」
「俺って優しいなぁ。」
「自分で言うな!!」
それでも、番号を消さない彼女に俺は満足げに笑った。
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