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クッションを抱えて、私は目を腫らして泣き続けた。
「鼻水くらい拭いたら?」
「うぅぅ…サヨぉ!!」
呆れた表情でティッシュを差し出す親友からそれを受け取り鼻水を拭くと、それを勢いよくゴミ箱に投げた。
「あっ……。」
ゴミ箱から弾き出されたティッシュを見ながら、私は更に涙を流す。
「そんなに泣くなら、別れる何て言わなきゃいいのに…。」
突然の電話にダッシュで私の家にやって来た親友はため息をつく…。
「だって……。」
「山下は謝って来たんでしょ?何で許して上げなかったのよ…。」
もっともな事を言われて何も言えなくなる…。
正直、あんな事を言うつもり何てなかった。
あの日をぶり返すつもりすらなかった。
だって…何時も通り彼と笑い合えるなら、それでいいと思ってたから。
結局の何処、2日間考え抜いて私が出した結論は…逃げ出してしまう事。
2日ぶりに見た彼の切ない笑顔に不安げな声に…私の胸が張り裂けそうになった。
彼を苦しめている自分が嫌になった。
でも…我慢を知らない私は、何時も最後には彼を悲しませる。
「修一も…別れたかったのかも…。」
呟いた私に、サヨが驚いた表情をする。
そして顔をしかめた。
「どうしてそう思うのよ?」
「だって……追いかけて来なかったし、わかったって言ったもん…。」
情けない声でそう言った私に、サヨが深いため息をつく…。
「あんな事言われたら、山下だって怒ると思うけど…?」
「…………。」
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