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串に刺さった肉を全て平らげた頃、僕はその串代わりの木の枝を見つめつつ、賢十に聞いた。
「これって、あの熊の肉?」
「うん。そうだよー。折角だから問が寝てる間に運んできたんだー」
そう言って指す方向には、幾つかに切り分けられた哀れな大熊の成れの果てが積み上げられていた。
物凄い量だ。果たして腐る前に食べきれるのか。
などと呑気な事を考えていた僕は、先程の戦闘を思い出してハッと賢十の方を向く。
「そうだ! 賢十、さっきの!」
「ん?」
「アレ、一体何!?」
「アレ?」
いまいち伝わらないようで、賢十は眉をひそめて首を傾げる。
「アレだよ! なんか剣に火が点いてズバッ! ってやつ!」
「ああ……」
そこまで言うと合点がいったらしく、賢十は頷いて言った。
「スキルだよ」
「……スキル?」
「うん。ステータス画面にあったでしょ? スキル一覧って」
「え……あ、ああ」
そう言われ、自分のステータス画面に空っぽのそんな項目があったことを思い出す。
僕は「メニュー」を押して『チーム情報参照』を選ぶ。
一番上に賢十、続いて僕、最後に燐さんが登録されている。
燐さんの名前に一瞬ギョッとするが、そういえば平気で食事をしているのだから当たり前といえば当たり前だ。
賢十がチームに入れた事は容易に想像できる。
いや、今重要なのはそこではない。僕は「☆ 七星 賢十」の項目を押す。すると、『七星 賢十・十四歳』と画面に現れる。その下にチームリーダーとあった。しかし、
「あれっ……」
『所有スキル一覧』の項目の下は『閲覧できません』と表示されて見えない。
賢十が僕のウィンドウを覗き込むようにして言う。
「ああ、そこからじゃ見えないよ。ちょっと待ってね」
そう言うと賢十はメニューウィンドウを出し、操作したあとウィンドウを掴んでひっくり返した。
「はい」
「!?」
その挙動そのものに一瞬驚愕するも、なんとか平静を装ってウィンドウを見せてもらう。どうやら、ウィンドウは結構自由が利くらしい。まだまだ隠された使い方がありそうだ。
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