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星の瞬く藍色の空の下、僕達は焚き火の横に設置された簡易的なテーブルと椅子に座って、夕食を食べていた。
「ちょっ……戒斗! それあたしが狙ってたっ……!」
「うっせー、早い者勝ちだし。燐姉さん、トロいんだよ」
箸で掴んだ肉をひらひらとさせて舌を出す戒斗に燐姉さんが食い付いている。
また、この二人は。
僕は呆れて、姉弟のようにじゃれ合う二人を苦笑いで見ながら、大皿に乗った回鍋肉へ手を伸ばす。
隣の四葉はあまりにもいつも通り過ぎる光景に諦めきった表情で、黙々と夕食に箸を伸ばしている。
文典さんは僕と同じように苦笑いで二人を見つめ、眼鏡の少女は我関せずといった感じで自分の皿に取り分けた夕食をちまちまと食べている。
さて、改めて我が『フラグメント』のチーム紹介と行こう。
現在、ギャーギャーと喚きながら食卓で喧嘩をしている二人のうち少年の方の名は竜崎 戒斗(りゅうざき かいと)。
鋼鉄製のプレートアーマーと大盾を用いるタンカー(前線で敵の狙いを引きつける役職)だ。
切れ長の目にどこか攻撃的な跳ね方をした茶色の頭髪と、ちょっとやんちゃなお兄さんという感じの風貌。
性格も見た目そのまんまでやんちゃ盛りが未だ過ぎ去っていないのか、見ての通り燐姉さんと日々やかましく騒いでいる。
その戒斗に対するは、双剣使いで魔法剣士の浜川 燐(はまかわ りん)姉さん。
魔法剣士とは、主にスキルを使って自らの能力を上昇させて戦う者を指す。
彼女はこのチームの中で僕と最も付き合いが長い。
初めの頃こそ「燐さん」と呼んでいたが、いつしか賢十の「燐姉」という呼び方が僕に感染ってしまい、「燐姉さん」という形で落ち着いた。
たまにこっぴどく叱られることもあるが、基本的に頼れる姉御肌のお姉さんだ。
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