道中、盗賊注意

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戒斗はこのチームで一番の新顔で、文典さんの作った武器を使って日が浅い。 とは言っても、戦争が終結して半年。『フラグメント』を結成して同じくらい。 チームメンバーにも馴染んできているし、その間使い続けているのだから、ある程度の熟練はしてきている。 モンスター相手なら全く問題無し。剣技だけで対人で渡り合うには少々足りないくらいか。 だが、特には気にしていない。 戒斗の役目はあくまでタンカー。敵の目を引きつけ、仲間を守るのが仕事だ。 剣はあくまで牽制であり、主体は盾だ。敵の殲滅なんて仕事はアタッカーである燐姉さんや弥生さんに任せれば良い。 今回はお互いに剣だけを打ち合ったから僕が勝てたが、盾を持たせれば戒斗に攻撃を通す隙など無い。 「よし、んじゃ適度に運動して腹も減ったし戻るか。そろそろみんな起きだしてくる頃だろ」 戒斗の言葉に僕は東の空を見上げる。群青色だった空はいつの間にか明るさを増し、オレンジ混じりの薄紫へと変わっている。 美味しそうな料理の香りが風に乗って流れてくる。 文典さんが朝ごはんを作っているのだろう。 「そうだね。そろそろ戻ろうか」 そう言って、僕はキャンプ地の方へ歩き出す。戒斗は岩に立てかけてあった大盾を小脇に抱えると僕の後にすぐさま追いついた。 ────
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